平成10年10月17日更新

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緊褌庵

褌つれづれ2

この度、褌屋から黒猫褌が販売されると聞き一気に子供の頃の記憶がよみがえった。

私の生家は神戸の須磨海岸の近くで、当時、若宮の浜と呼ばれていた今の「須磨海浜水族園」あたりまで歩いて行くことが出来た。夏になると朝から日没まで海岸で遊んだ。昭和30年代のはじめの頃はまだ大人子供を問わず黒猫褌で泳いでいる人が多かったと記憶している。まだまだ貧しかった日本の経済状況の下では「海水パンツ」と呼ばれていた水着は贅沢品であったに違いないと想像する。化学繊維はすでに登場していたはずだが、ウーリーナイロンと呼ばれた化繊は非常に高価なものであったと聞いた。私が初めて買って貰った海水パンツはウールのニットであった。

当時、水練学校と云う物が各地にあった。大阪堺の「浜寺水練学校」は全国的に有名であった。私も小学校に入学した夏、地元の水練学校に参加した。ここでは、低学年は黒猫褌、高学年になると赤の六尺褌と決められていて、海水パンツは禁止されていた。後で聞いた話であるが、当時はまだまだ貧富の差が大きく海水パンツを買えない家庭が多かった為、子供達を平等に扱う為に褌を義務づけたと聞いた。

高学年の赤褌は、水練中に鮫に追われた時、褌を解いて水中に長く流せば、鮫は自分の体長より長い物からは逃げる習性があるので助かることができるからと教えられたが、どうも真偽の程は疑わしい。

黒猫褌と聞いて思い出した物がもう一つある。

子供の頃水練学校では、黒猫褌に、煎った空豆(はじけ豆)の詰まった小さな赤い網の袋をくくりつけてくれた。かたいかたい空豆も泳いでいる中に塩水でふやけ、泳ぎ疲れた時の格好のおやつとなった。この頃は、このおやつを不衛生などと言うような親もいなかった。無性にあの赤い網に詰まった空豆が食べたくなった。

そういえば、遠泳大会時には生姜の香りいっぱいの「あめ湯」があった。黒猫褌一つで多くのなつかしさを呼び起こす。

最先端の流行の水着が闊歩する昨今の須磨海岸を、赤や白の六尺や黒猫で泳いだならば、警察に通報されるだろうか、それとも最先端の大胆なTバック水着と思われるだろうか。いずれにしろこの度の「褌屋」の黒猫褌復刻は心より歓迎する。それでこそ「褌専門店」である。(文・緊褌庵)


緊褌庵

褌つれづれ1

真冬に夏の話で恐縮ではあるが、「夏祭難波鑑」(なつまつりなにわかがみ)夏の歌舞伎の代表的な出し物である。殊に「長町裏の場」と呼ばれる場面は舞台上に本物の水で雨を降らせる。主役の団七九郎兵衛が雨の中で強欲な舅を殺すと言う凄惨な場面であるが、泥絵の芝居絵さながらの魅力がある。雨にぐっしょりと濡れた浴衣が団七の肌に張りつき、はだけた裾から紅いふんどしが見え隠れする。

江戸時代、薮入りや宿下がりで国元に帰っていた庶民の女性達にとっては、贔屓役者のそんな姿に頬を赤らめたに違いない。

当時の芝居を支えていた観客の多くはこのような女性たちで、役者も褌をみせるのがセックスアピ−ルと心得ていたようにも思われる。

古典落語の世界ではもっと簡明直截である。

連れ立って吉原へ繰り出すのにただのお洒落では面白くない。見えない所に金をかけてこそ本物のお洒落と聞き、豪華なふんどしで花魁衆を驚かそうと相談がまとまる。縮緬や羽二重のふんどしなど持っているはずも無い貧乏所帯の男の考えた苦肉の策は、お寺の和尚さんの「錦の袈裟」を借りて、それをふんどしに締めようという何ともバチあたりな考えである。袈裟と褌の落差が面白い。

大阪落語の大ネタに「東の旅」というのがある。喜六と正八の二人が大阪から伊勢参宮の行き帰りに様々な事件を起こす。旅の途中ある村の祭りに出くわし、そこでインチキ見せ物小屋につぎつぎと騙される。

「一間の大鼬(おおいたち)」を見せると言う小屋に入ってみると、一間の板に血が塗り付けてある。つまり板に血で、いたち(鼬)、しゃれで誤魔化され木戸銭だけもぎとられる。

次の小屋では「天竺(インド)の白い孔雀」がいるという。ここでも木戸銭を払って入ってみると、頭のうえに何やら白い布が干してあるだけで孔雀は影も形もない。文句を言うと木戸口の男が言い返すには、頭の上の白い布はふんどしで、それも「越中ふんどし」と「六尺ふんどし」が一本ずつ干してある。「越中ふんどし」は三尺、「六尺ふんどし」は六尺、あわせて九尺、つまり、くしゃく。あのふんどしは天竺木綿で作っているので、「天竺木綿の白い九尺」「天竺の白いくしゃく」だと煙にまかれてしまう。

古典芸能の世界では「ふんどし」は今も頑張っています。(文・緊褌庵)


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